高木真備 引退セレモニー(立川競輪場)
4月3日にガールズグランプリ優勝報告会で、電撃引退を発表した高木真備(27=東京・106期)が4日、立川競輪場で引退セレモニーを行った。
集まった約2,000人以上のファンの大歓声に包まれ、競輪選手『高木真備』としてラストランを披露。バンクの感触をかみしめるように、3周半ゆっくりと走り、8年間の選手生活に別れを告げた。その模様をお届けする。
――立川競輪場での思い出について
「デビューして初めての立川は、落車をしてしまって(苦笑)。最終日は一般戦で走った記憶があります。でも、選手人生の後半は何度も優勝することができましたし、お客さんとの距離も近いので、すごく声援が聞こえて走っていて楽しかったです」。
――立川競輪場の印象は
「直線が長い立川で練習すると、他のバンクでの競走が苦にならないので、立川で練習をさせてもらえるのはありがたいなと思っていました」。
――最後にファンへメッセージを
「8年間、本当にたくさんの応援ありがとうございました。今日こうして皆さんの前に立ち、改めて競輪選手になって良かったなと思います。最終的には目標であった『(ガールズ)グランプリで優勝』することができて、最高の競輪人生でした」。
「今後は選手でなくなりますが、新たな目標に向かって頑張りたいと思っていますので、引き続き応援していただけると嬉しいです。本当に今までありがとうございました」。
その後、行われた共同会見では
――3周半のラストランを終えて
「たくさんのお客さんが名前を呼んでくださった。なかなか経験できないことなので、すごく楽しかったです」。
――どのような気持ちで引退セレモニーを迎えたか
「選手として皆さんの前でお話しするのは最後だし、感謝の想いを伝えたい気持ちと、バンクからの景色を目に焼き付けようと。宝物になりました」。
――久々にバンクを走って、もう少し選手を続けたい気持ちには
「それは全くないですね(笑)」。
――外からレースを見て感じることは
「(選手の皆さんに対して)純粋に頑張れという応援の気持ちと、自分が走っていたことを思い出して緊張します」。
――引退を発表して1ヶ月、どのように過ごしたか
「次にやりたいことが明確なので、その準備ですね。保護犬・保護猫を支援する活動がしたい。関連施設で勉強させていただいたりしています」。
――今後について
「最初は『保護犬・保護猫たちを何とかしてあげたい』という気持ちでしたが、勉強していくうちに、保護されているということは、その時点で捨てたり手放したりする人間がいるということ自体が問題だなと。保護するもっと前の段階で、できることがあるのでは? と思いました。まだ勉強中ですので、具体的なことが決まったら、SNSや記事を通じて発信したいと思っています」。
「競輪関係のお仕事は、依頼があればお受けしたいです。そこで保護犬・保護猫の活動についても何か発信をさせていただけたらと考えています」。
――今後の自転車との付き合い方、相棒のフレームについて
「今のところは、もう自転車には乗りません。何年か経って乗りたくなったら? 街中で乗るくらいですかね(笑)」。
「ハート柄のフレームは一緒に走ってきた『大事な相棒』なので、保管します」。
――引退の実感はあるか
「練習をしなくて良くなった、というのが一番大きいです。レースから逆算をし、体を仕上げることを毎日考えながら生活していたので、今はその必要がなくなり、もう走らないんだなと」。
「気持ちにも時間にも余裕ができて、競輪以外のことを知る時間や勉強する時間に充てられている。自分の知らなかった世界が広がって毎日が楽しいです」。
――生まれ変わっても、競輪選手を目指すか
「目指すと思います。普通では経験できないことを経験させてもらえる場でしたし、自分が頑張った分だけ結果につながる。人生で一度は経験しておきたいと、生まれ変わってもまたそう思うのかな」。
――改めて選手人生をふり返って
「最終的にはグランプリで優勝できて、諦めないでやってきて良かったなと。結果が出せない時も変わらずに応援してくださったファンの皆さんのおかげで、ここまでやってこられました。感謝でしかない8年間でした」。
「これ以上、競輪での目標は浮かばないですし、本当に悔いなく、やり切ったと思います」。
(記事・八角あすか)